「マリアから生まれた御子」
聖書箇所 ルカ2:1-7。241/242。
日時場所 2024年12月15日平安教会朝礼拝・アドヴェント3
アドヴェントも第三週を迎え、クランツのロウソクも3つ、火がともっています。
今日は「きてみて・れいはい」です。この日はとくにわかりやすい話をすることにしています。
イエスさまは馬小屋でお生まれになれました。ルカによる福音書2章1節以下に、イエスさまが生まれた時のことが記されてあります。
ルカによる福音書2章1−2節にはこうあります。【そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。これは、キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。】。
ローマ皇帝アウグストゥスから、「ローマ帝国の領土に住んでいる人たちは、みんな自分の生まれ故郷に帰って、住民登録をしなさい」という命令がなされました。住民登録というのは、正確に税金を納めさせることを目的になされるわけです。私たちの世の中では税金はみんなが共に生きていくために集めるという面があります。でもイエスさまの時代のユダヤの人たちが納めた税金は、自分たちのために用いられるというよりは、多くはローマ帝国の人々のためにもちいられます。
ルカによる福音書2章3−5節にはこうあります。【人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。】。
イエスさまのお父さんのヨセフさんと、イエスさまのお母さんのマリアさんは、住んでいたガリラヤのナザレからヨセフさんの生まれ故郷のベツレヘムに行くことになりました。もうそのとき、マリアさんのお腹の中には、イエスさまがおられました。マリアさんは身重であったのに、たいへんな旅をさせられたわけです。ナザレからベツレヘムまで約100キロぐらいでしょうか。大阪から姫路あたりの距離でしょうか。いまの日本ならば電車に乗っていけばいいわけですが、イエスさまの時代にはそんなものはありません。歩くとなると、やっぱりちょっと大変でしょう。
ルカによる福音書2章6−7節にはこうあります。【ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。】。
マリアさんはベツレヘムにいるときに、産気づいて、急にイエスさまを産むことになりました。【マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである】と聖書に記されてあります。【宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである】とありますから、できれば宿屋で生まれた方がよかったということでしょう。やっぱり馬小屋よりは宿屋のほうが快適に過ごすことができるでしょう。
しかしイエスさまが馬小屋でお生まれになるということは、それは神さまが定められたことでした。馬小屋で生まれると、どんないいことがあるでしょうか。イエスさまは馬小屋に生まれたので、お祝いにきたい人はだれでもお祝いにくることができたのです。王宮に生まれたのであれば、だれでもがイエスさまの誕生のお祝いにくることはできなかったでしょう。馬小屋だからこそ、だれでもイエスさまの誕生のお祝いにくることができたのです。
イエスさまの誕生の知らせを聞いて、一番最初にやってきたのは羊飼いだと言われています。
《ルカによる福音書2章8−20節にはこうあります。【その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。「いと高きところには栄光、神にあれ、/地には平和、御心に適う人にあれ。」天使たちが離れて天に去ったとき、羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう。主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。そして急いで行って、マリアとヨセフ、また飼い葉桶に寝かせてある乳飲み子を探し当てた。その光景を見て、羊飼いたちは、この幼子について天使が話してくれたことを人々に知らせた。聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。しかし、マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた。羊飼いたちは、見聞きしたことがすべて天使の話したとおりだったので、神をあがめ、賛美しながら帰って行った。】
羊飼いは夜、野宿をするという生活をしていました。ですからあまりきれいな格好をしていたわけではありません。羊飼いはあまりきれいな格好をしていなかったので、人々から嫌われていました。そんな羊飼いでありましたが、イエスさまは馬小屋で生まれたので、イエスさまの誕生のお祝いにくることができました。人間だけではありません。イエスさまは馬小屋で生まれたので、動物たちもイエスさまの誕生をお祝いにくることができました。イエスさまは馬小屋で生まれたからこそ、だれでもイエスさまの誕生をお祝いに来ることができたのです。
そしてイエスさまはマリアからお生まれになりました。「身分の低い、主のはしため」であるマリアからお生まれになりました。占星術の学者たちは「ユダヤ人の王としてお生まれになられた方は、どこにおられますか」と、ヘロデの王宮を訪ねました。王としてお生まれになった方は、王宮で生まれただろうと、占星術の学者たちは思ったからです。しかしイエスさまは王妃からお生まれになったのはなく、マリアからお生まれになりました。
黒人霊歌に「Mary had a baby」という歌があります。
Mary had a baby
Mary had a baby マリアはみどり子を授かった
Mary had a baby, sweet child マリアはみどり子を授かった、美しい子を
Mary had a baby マリアはみどり子を授かった
Mary had a baby マリアはみどり子を授かった
Mary had a baby, sweet child. マリアはみどり子を授かった、美しい子を
Where was he born ? manger どこで生れた、馬小屋で
Where was he born ? manger どこで生れた、馬小屋で
Where was he born ? どこで生れた、
Why in a manger 馬小屋で
Mary had a baby, sweet child. マリアはみどり子を授かった、美しい子を
What did they call him ? Jesus 何と名づけた、イエスという名を
What did they call him ? Jesus 何と名づけた、イエスという名を
What did they call him ? 何ていう名をつけた
Called him Jesus everlasting father 永遠の父イエスと名づけた
What did they call him ? 何と名づけた
Mary had a baby マリアはみどり子を授かった
Mary had a baby マリアはみどり子を授かった
Mary had a baby マリアはみどり子を授かった
How long did he live ? その子はどれだけ、生きた
He lives now. 今も生きている。
アメリカの黒人たちは自分たちと同じような、ふつうの少女であるマリアからイエスさまがお生まれになったことを喜びました。御子イエス・キリストが王宮ではなく馬小屋に生まれ、そしてマリアというふつうの少女からお生まれになったことを喜び、そして「Mary had a baby マリアはみどり子を授かった」という黒人霊歌をつくりました。そしてイエスさまが苦しみ、悩み、呻いている自分たちのところにきてくださったことを喜びました。
クリスマスの物語に出てくる人たちの多くは、力をもたない人たちです。マリアさんは少女ですし、羊飼いも人々から嫌われていた人たちでした。年をとった人たちや力をもたない人たちが多く、クリスマスの物語の中に出てきます。小さな者たちが互いに寄り添いながら生きているところに、神さまはイエスさまを送ってくださいました。
イエス・キリストは弱くともしい私たちのところに来てくださいました。悩み、苦しみ、弱り果てる私たちのところに、イエス・キリストは来てくださいました。私たちがどんなに弱く小さな者であったとしても、イエスさまはいまも生きて、私たちに働いてくださっています。共に救い主イエス・キリストのご降誕を心からお祝いいたしましょう。
(2024年12月15日平安教会朝礼拝・アドヴェント3)
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