2026年1月18日 降誕節第4主日礼拝説教要旨
「今の『時』」 東島勇人牧師(東梅田教会)
マルコによる福音書 1:14~20節
関西労働者伝道委員会の働きを覚えて祈る交換講壇礼拝を共にでき、感謝しています。また、この機会に平安教会が当初から「街の教会」として地域の人々と共に歩もうとされてきた宣教姿勢を知ることができ、励まされています。
昨日は、阪神・淡路大震災発生から31年の日でした。震災時、私は関学神学部に在学中で、西宮の木造アパートに住んでいて被災しました。丁度その日が修士論文提出日だったのですが、私は一旦無事だった友人宅に避難した後、友人たちの安否確認や地域の救援活動をする前に、危険な状態のアパートにわざわざ戻って論文を取り出し、大学に提出しに行きました。しかし、提出日は延期との張り紙がありました。その時になって私は、人の命や困難よりも自分のことを心配していた現実を思い知らされ、自分の愚かさ、罪深さに愕然としました。4月から広島流川教会担任教師となることが決まっていたのですが、自分のような者が牧会者になってよいのかとの問いの中で葛藤しました。その時に、励ましを与えられたのが今日のイエスの言葉と招きの出来事でした。
イエスは宣教のはじめに、「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」と言われました。ここで注目すべきは、「時は満ち」という言葉です。この時ユダヤ人たちは、ローマとユダヤの支配者たちによる圧政と重税に苦しめられ、心は不安や恐れに、生活は貧しさや困難に満ちていました。しかしイエスは、今この時が神の国が現実となる時なのだと宣言したのです。そして、「悔い改めて福音を信じなさい」、すなわち「生き方の方向転換をして、神の良き報せを信じなさい」と呼びかけました。この宣言の後、イエスの招きに応えて漁師であったペトロたちが弟子となりました。ペトロたちは貧しさや困難や人間的な弱さを抱えていましたが、イエスはあえてペトロたちを選び、その招きは無条件でした。
私たちも、今この時にイエスの招きを受けている者として、どう応えていけばよいのでしょうか。イエスは招きの際に「人間をとる漁師にしよう」と言われました。「とる」は「生けどりにする」という意味の言葉です。それは、様々な現実を抱えて生きる一人ひとりと出会い、大切にし、喜びや悲しみを分かち合い、共に神の国の福音の喜びに与っていくことなのだと思います。関西労働者伝道委員会の働きも、その意味での大切な宣教活動として続けられています。労伝と、それぞれの教会の働きの上に、主の祝福と導きをお祈りいたします。
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